水回りや設備の収録用語リスト:非破壊試験

京都水道修理隊

専門用語掲載一覧

非破壊試験
非破壊試験(Non-Destructive Testing, NDT)は、水道インフラの保守、品質管理、および安全性確保において重要な技術です。これは、物質や構造物の内部または表面の状態を調査し、損傷や劣化の有無、およびその程度を評価するための手法です。水道において、非破壊試験はパイプ、弁、ポンプなどの設備の健全性を確認し、効果的な保守計画を策定するのに役立ちます。

●超音波探傷検査(Ultrasonic Testing, UT)
超音波探傷検査は、音波の伝播特性を利用して物質の内部を調査する方法です。水道パイプやタンクの内部に損傷や空洞がある場合、超音波は反射または透過によってそれを検出します。この手法は、材料の厚さ測定や溶接部の検査にも使用されます。

●磁粉探傷検査(Magnetic Particle Testing, MT)
磁粉探傷検査は、磁場を利用して材料の表面および近傍を検査する手法です。表面に亀裂や傷がある場合、磁場の変化によってそれらが可視化されます。この手法は金属製の配水管や弁などで一般的に使用され、劣化や亀裂の早期発見に寄与します。

●液体浸透試験(Liquid Penetrant Testing, PT)
液体浸透試験は、表面への浸透現象を利用して表面の不備やひび割れを検出する手法です。これは金属や非金属の表面不備の検査に適しており、コンクリート構造物や溶接部の検査にも利用されます。

●放射線試験(Radiographic Testing, RT)
放射線試験は、X線またはガンマ線を使用して物質の内部構造を可視化する手法です。この試験は金属製のパイプや溶接部の検査に有用であり、内部の欠陥や溶接の品質を評価するために広く使用されています。

●振動診断(Vibration Analysis)
水道設備においては、ポンプやモーターの異常な振動が機械的な問題を示唆することがあります。振動診断はこれらの振動をモニタリングし、異常を検知して修理や交換を行う手法です。

●赤外線サーモグラフィ(Infrared Thermography)
赤外線サーモグラフィは、機器や施設の表面温度を測定し、異常な発熱部分を検出する手法です。水道設備の電気系統や絶縁体の劣化を早期に発見するのに有用です。

これらの非破壊試験手法は、水道設備の安全性、信頼性、および効率性を確保するために組み合わせて使用されます。効果的な予防保守計画を策定し、設備の寿命を延ばすためには、定期的な非破壊試験が不可欠です。